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自民党の今
国民はバカである
筆者ももれなくバカな国民の一人である。バカと言われて黙っておくわけにはいかないので、言い訳をしておこう。まず、私たち国民にはそれぞれのやるべきことがある。政治家が政治について考えるのと同水準において、建築家は建築について考え、商人は商売について考え、主婦は家事について考える。なにも政治家だけが偉いのではない。彼らは職業上、幸運なことに、政治について学び、知る機会を偶然得ているだけなのである。つまり、政治家と他の国民の間に存在する、政治についての情報格差は、仕方のないものなのだ。逆に国民全員が常に政治について考えていれば、当然に社会は成り立たない。また、現代においては社会が複雑化し、国民がバカから脱するために求められている基準が高くなっている。昔であれば、人々を平等に扱うか否か、人権を尊重するか否か、という問題に対して、大半の国民は内容を理解し、意見を持つことができたであろう。しかし現代の、原発をどうするか、特定秘密保護法を認めるべきか、TPPににどう取り組むか、などといった諸問題は、重要でありながらその影響が広く様々な領域に及び、更にはその選択肢も多様にある。国民はこれらの問題が浮上すると、情報量が0に近い状態からスタートし、まずその困難な内容を正確に理解しなければならない。先述のように、その問題に取り組む時間は各自限られているし、メディアは次から次に新しい問題を提示してくる。以上のことから、国民はバカであるべくしてバカなのだ。そんな国民に民主主義だと持て囃して重要な判断を強要し、それを断ると選挙は義務であると言って投票をしない国民を非難する。それこそ勝手すぎはしないか。